令和元年大晦日

僕は算数的な頭が苦手で、
「禁煙して14年目です」なんて、
スラリと答える人を驚いていた。
令和元年に脳梗塞になったので、
これからは解り易くて良いなと、
呑気な事を言っていると大晦日。
何もかも変わってしまって年の暮れ

障害者手帳２級

２級の障害者手帳が交付された。
左上肢機能全廃、
左下肢機能著しい障害、
そう言われるとツラいな。
お国から障害者としてお墨付き

今年の漢字

今年の漢字は『令』だという。
ありきたりだなと鼻で笑った。
僕の今年の漢字は『病』かな。
ありきたりだなと照れ笑いをする。

復職

デイサービスに復職した。
身体介護はできないので、
パソコン片手打ちで事務仕事をする。
バス停からの10分の坂道が、
僕の足では30分もかかるので、
自主トレに陸橋のスロープを加える。

時の流れの早さ

Nさんが逝去されて1年が経った。
時の流れの早さに驚く。
その間に僕の脳梗塞もあり、
尚更の時間経過である。
先日やはり写真仲間のN君が、
ステージ3だったと聞いて愕然とした。
今は術後も順調で勤務しているという。
僕の病なんて知れたものだ。

拘縮による慢性疼痛

拘縮による慢性疼痛に悩まされている。
予防や対処は関節可動域訓練だけど、
痛くて動かせないので
ますます痛くなる悪循環。
TVやWebや関連本を見てみると、
「慢性疼痛は『脳の勘違い』だ」と言う。
「不安やストレスをなくすと痛みがなくなる」という。
現代社会ではそれが最も困難なのだけれど。

デイサービスに通う

週2回デイサービスに通っている。
以前は職員だったが、今は利用者として。
リハビリに特化したデイで
食事もレクリエーションも無い。
3時間ミッチリ体操や
ウォーキングマシンや自転車など
10個あまりの器具をこなして行く。
行く当てがある嬉しさ。

のようなもの

今日もまた返信のない熱帯夜
気がのらず行く当てもない残暑
何事も無かったように送信し
さみしいとさもしいを検索す
まるで自分を責めるように歩く

リハビリ歩行

リハビリのため、
300m先のコンビニにコーヒーを
飲みに行くのを日課にしている。
雨の日は傘をさせないので、
マンションの廊下を歩いている。
廊下は面白味はないけれど、
『頑張っている自分』感が出るので、
それはそれで気持ちが良い。

慣れていない

階段を上るのは
先に健康な足を出す。
下る時はマヒ足が先。
立ち止まって
いちいち考えないと
足が出せない。
無意思で歩けるほど
慣れていない。

憧れの電動三輪自転車

連日の暑さの中、装具と杖で
ヒョコヒョコ歩くのはバテる。
自転車なら楽かなと思い、
電動三輪自転車の試乗に行って来た。
マヒ手の筋肉が緊張して強ばってしまい、
ハンドルが取られて左へ旋回してしまう。
また一つ選択肢が少なくなる。

藁にもすがる

妻方の親戚が鍼灸院をしていて、
評判が良いと言うので受診に行く。
また別方面から勧めで漢方薬を服用している。
藁にもすがっているのである。
l～2回で成果が出るほど甘くない。
片道1時間の電車移動は、
今の僕にとっては大冒険の旅。
クタクタになるのである。

素人の『不自由者』

病院という特殊な環境で、
三ケ月かけて自分の不自由さを
思い知らされたはずなのに、
自宅という日常生活空間に戻ると、
夜中に枕元のスマホを取ろうとして、
自分の左マヒを思い出す。
『不自由者』としては素人だな。

退院前夜

このリハビリ病院に転院して来たころは、
大きな装具で20m歩くのがやっとだった。
左手の指はピクリとも動かなかった。
それが今や600m歩いて電車にも乗れる。
コインをつまむこともできる。
排泄や入浴も手を借りずにできる。
ドクター、ナース、PT、OT、STの皆さんのおかげ。
感謝して涙がこぼれる。
3ケ月の入院の間に季節が変わった。

退院日が決まった

退院日が決まった。
「回復して」というより、
「時間切れ」感が強い。
装具と杖で少しは歩けるが、
手はまだ御飯茶碗が持てないし、
拘縮の恐れも残っている。
退院したかったはずなのに、
途端に惜しいような気になる。

力が抜けない

片麻痺四肢左不完全。
力を入れたいのに入らない。
そして逆に、
力を抜きたいのに抜けない。
手首や指が内側に曲がって行く。
夜間に痛くて目が醒める。
脱力するのがこんなに
難しいとは知らなかった。

歩行自主トレ

毎朝、病棟フロア1周150mを、
装具と杖で歩いている。
1ヶ月前に4分35秒かかっていたのを、
2分30秒まで短縮できるようになった。
記録を更新するという
体育会系のノリが解るようになった。
けれども時間短縮が目的ではない。
今後は歩行距離を伸ばそうと思う。

自宅に行って病院に帰る

外泊許可をとって自宅に向かう。
2ケ月振りの我が家は、
嬉しいのだけれども、
僕の身体、家の様子、時間、
全てが変化している。
病院に戻った際に
「ああ帰った」と口に出る。