憧れの電動三輪自転車

連日の暑さの中、装具と杖で
ヒョコヒョコ歩くのはバテる。
自転車なら楽かなと思い、
電動三輪自転車の試乗に行って来た。
マヒ手の筋肉が緊張して強ばってしまい、
ハンドルが取られて左へ旋回してしまう。
また一つ選択肢が少なくなる。

藁にもすがる

妻方の親戚が鍼灸院をしていて、
評判が良いと言うので受診に行く。
また別方面から勧めで漢方薬を服用している。
藁にもすがっているのである。
l～2回で成果が出るほど甘くない。
片道1時間の電車移動は、
今の僕にとっては大冒険の旅。
クタクタになるのである。

素人の『不自由者』

病院という特殊な環境で、
三ケ月かけて自分の不自由さを
思い知らされたはずなのに、
自宅という日常生活空間に戻ると、
夜中に枕元のスマホを取ろうとして、
自分の左マヒを思い出す。
『不自由者』としては素人だな。

退院前夜

このリハビリ病院に転院して来たころは、
大きな装具で20m歩くのがやっとだった。
左手の指はピクリとも動かなかった。
それが今や600m歩いて電車にも乗れる。
コインをつまむこともできる。
排泄や入浴も手を借りずにできる。
ドクター、ナース、PT、OT、STの皆さんのおかげ。
感謝して涙がこぼれる。
3ケ月の入院の間に季節が変わった。

退院日が決まった

退院日が決まった。
「回復して」というより、
「時間切れ」感が強い。
装具と杖で少しは歩けるが、
手はまだ御飯茶碗が持てないし、
拘縮の恐れも残っている。
退院したかったはずなのに、
途端に惜しいような気になる。