介護の人がお見舞いに来てくれた。
その人の娘さんが、
この病院で理学療法士をしていると言う。
世間は広いようで狭いものだ。
不思議な縁を感じる。
「豚もおだてりゃ木に登る」
という訳で、
「脳梗塞もおだてりゃ杖歩行」。
セラピストの皆さんは、
褒めておだてて、励ましてくれる。
そのおかげで、回復して行く。
ありがたいことです。
「入浴見極め」に合格した。
これで好きな日に一人で、
入浴できる事になった。
短時間の外出も認められたので
散髪に出かけた。
少しずつ『自由』が許可される。
昨日はうまく歩けたのに、
今日は躓いてしまう。
指が動くようになったのに、
今また、まるで動かない。
リハビリは一進一退。
歯痒くて口惜しくて情けない。
焦りは禁物と解っているけれど…。
脳梗塞を嘆いていても仕方ないので
『不幸中の幸い』をカウントしている。
まずは生きているということ。
「生きているだけで丸儲け」の幸いなのである。
左側マヒで、利き腕が使えるという幸い。
高次脳機能障害や血管性認知症でないという幸い。
妻の献身的な介護を受けているという幸い。
晩節を汚す事なくフェードアウトできるという幸い。